「生涯教育制度」の概要

1.基礎コース
「基礎コース」はさらに2コースから成ります。
必修研修
No. | 新テーマ | 旧テーマ |
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01 | 作業療法生涯教育概論 | 協会・各都道府県士会の歴史・組織 |
02 | 作業療法における協業・後輩育成 | 人間関係論1・人間関係論2・臨床実習指導方法論 |
03 | 職業倫理 | 日本作業療法士協会倫理綱領・関連法規 |
04 | 保健・医療・福祉と地域支援 | 地域医療福祉 |
05 | エビデンスと作業実践 | 科学、その性格と研究方法 |
06 | 作業療法の可能性 | 作業療法の対象領域・福祉関連機器・用具 |
07 | 日本と世界の作業療法の動向 | 日本社会における作業療法の動向 世界の作業療法の動向 |
08 | 事例検討方法論(発表の意義、方法) | 症例研究1 |
09 | 事例検討(症例発表会の聴講) | 症例研究2 |
10 | 事例報告(症例の発表) | 症例研究3 |
※協会入会時より3年から5年以内に10テーマすべて修了する。
No. | 専門領域 |
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01 | 身体障害領域 |
02 | 精神障害領域 |
03 | 発達障害領域 |
04 | 老年期障害領域 |
※協会入会時より3年から5年以内に2テーマを選択修了する。
自由選択
各種研修会などを受講したりすることでポイント(生涯教育府士会基準・対応)を修得します。
- OT学会
- 府士会学会
- 協会・府士会主催の各種研修会
- 他団体の学会研修会での発表や参加(受講)
- 実習指導など
5年ごとに50ポイントを修得し、自己研鑽を生涯継続することを目指すものである。
5年ごとの50ポイント修得継続は「認定作業療法士」の申請・継続に必須事項でもある。
2.専門コース
「認定作業療法士」の資格
- 認定作業療法士共通研修 (旧:「生涯教育専門必修(共通)研修」)
- 3講座をすべて修了する。
- 教育法
- 研究法
- 管理運営
- 認定作業療法士選択研修 (旧:「生涯教育専門必修(選択)研修」)
- 2講座以上を修了する。
- 事例報告 (旧:「症例研究3」)
- 3症例を認定作業療法士審査委員会(仮称)に提出し指導を受ける。
「認定作業療法士」の継続(5年ごとの更新)
- 臨床の実践報告
- 2例以上を申請する。
- 臨床実習指導者
- 研修会の講師など
- 後輩育成指導経験
- OT啓発に関する社会的貢献
- 計10回以上を申請する。
- 1.基礎コース【自由選択】
- 5年ごと50ポイント修得の継続。
以上が「生涯教育制度」の概要である。なお、既会員については特例条件、免除規定などが設けられており、その詳細については配付予定の「生涯教育制度の手引き」と「生涯教育制度手帳」で確認いただきたい。
生涯教育府士会基準・対応
生涯教育制度における大阪府作業療法士会の基準と対応について
- 1.府士会裁量ポイント
- 府士会事業への協力
- 府士会役員(会長、副会長、理事、幹事)、府士会各部員、各委員
- 府士会学会役員 (学会長など実行委員【当日のみの運営委員含まず】)
- 府士会機関誌投稿者 (【学会号は含まず】)
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獲得ポイント
基準 ポイント 年間最大 2ポイント - 2.府士会主催の学会、研修会
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- 大阪府作業療法士学会
- 各部・委員会・研究会の研修会
- 学術局研究会の勉強会
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獲得ポイント
基準 ポイント 90分 1日2ポイント 2日以上 4ポイント - 3.他団体の学会、研修会
- A.参加者は以下の資料を提示
- 団体の名称、規模、共催・後援の団体名
- 学会、研修会の内容
- 参加を証明するもの(個人名のはいった領収書、参加書)
- B.広く広報されているもの
【基準:会員数20名程度の専門職集団(会則ある方がbetter)】- 理学療法士
- 言語聴覚士
- 医師
- 看護師の学会
- 研修会
- 作業療法士が独自で行っている研修会・勉強会
- C.府士会学会、総会にて手続き
- D.付与期限:5年
-
獲得ポイント
基準 ポイント 90分 1日1ポイント 2日以上 2ポイント - 4.研修会・勉強会参加の注意点
-
- 手帳を忘れずに持っていくこと
- 受付の前に受講欄に受講研修会、勉強会名を入れること
- 忘れた場合は受講証明書をもらい、総会・学会の生涯教育相談コーナーにて受講書を渡し、手帳の押印受けること
- 参加者名簿に会員番号、氏名を記入のこと
(手帳紛失の場合、救済措置として必要)
「生涯教育制度」の資格制度について
すでに「専門看護師」、「専門理学療法士」、「認定心理士」などの資格制度が各々の専門職団体で設定されている。一昔前の所轄官庁は各団体による資格認定に関して消極的であったが、現在は「認定作業療法士」などの設定にむしろ興味を示しているとも聞いている。今後、協会認定の「認定作業療法士」等の資格が様々に活用され発展する可能性もあると思われる。今後の情報に関心を持ってください。
やがて、皆さんの手元には「生涯教育制度移行の手引き」と「生涯教育制度手帳」が届くことになる。制度変更に伴う手続きが詳細に記載されているため、かなり複雑との印象を受けるかもしれない。しかし、是非関心を持って目を通していただきたい。
Q&A
- 改正したのは何?
- 様々な改正点があるが2つに絞ってご説明
- 1.「自己研鑽型コース」と「資格認定型コース」に分けたこと。
- 自己研鑽型の基礎コースでは、これまで以上に多様な学会や研修会をポイント対象とし、会員にとって自己研鑽を継続しやすい方式とした。
- 2.資格認定型の専門コースに「認定作業療法士」制度を設置
- 将来的には「専門作業療法士」制度の設置をも視野に入れることで、生涯学習を継続する意義と段階的な目標を示した。
生涯教育システム検討委員会より
わかりやすく説明を、という編集員の要望に応えられたとは決して思わないが、この制度が自分たちの職能の将来にとって重要な意味を持っていることをご理解頂きたい。
制度の移行期故の混乱や不都合が生じるかもしれない。また、制度はさらに検討を必要とする部分を内包していることも否定できない。しかし、会員である個々の作業療法士を支援するための制度であること、しかも会員皆の主体的な取り組みと協力によって成立する制度であることをご理解頂きたいと思う。